ロバート・パーカー98点、“知的でセクシー”と例えられる魅惑的な2015年。ブラックチェリーやラズベリージャム、カシス、ダークプラムにバラやダークチョコレート、ドライハーブ、サンダルウッドのニュアンスを伴うゴージャスなアロマ。張りのある筋肉質な果実味にしっかりとなめらかなタンニンとフレッシュな酸が合わさり、見事なバランスをたたえています。土とミネラルのニュアンスを帯び、香水を纏うような妖艶なフィニッシュで締めくくられます。

ボルドーで、そして世界で最も有名なワイン生産者のひとつとして君臨するラトゥール。格付以前の1787年でさえ既に他のシャトーの20倍の価格で取引されていた記録があります。本当の味わいを知るには最低15年はかかると言われるほど、特に力強く長命なワインとして知られています。
シャトー近隣に広がる「ランクロ」と呼ばれる畑はボルドーで最も優れたテロワールともいわれる土地。この地で平均樹齢60年、最高100年以上にも及ぶ古樹ブドウにより、パワフルなタンニンと優雅さ、深みが形成されます。グランヴァンにはこのシャトーを囲む区画のブドウのみが使用されます。
近年は品質が非常に安定していることでも定評があります。1993年にはグッチやクリスティーズのオーナーであるフランソワ・ピノ―氏に所有権がわたりました。圧倒的な資金力により設備が整えられ、醸造やブレンドのクオリティがいっそう向上。暑く干ばつに悩まされた2003年でさえパーカー100点満点を得る文句なしの仕上がりです。2012年にはプリムールから脱却。飲み頃まで熟成させてからのみ出荷させることができるのも、資金力のあるオーナーだからこそ成しえる業です。
ラトゥールはグランヴァンの他に2つのワインも造っています。セカンドでありながら他のシャトーのトップキュヴェに並ぶ評価を受けるレ・フォール・ド・ラトゥール、ファーストの1/10ほどしか生産されず希少性の高いポイヤック・ド・ラトゥールがあり、どちらもファーストの厳しい選定基準に満たないロットやより若い樹齢のブドウを用いています。
また、2015年からは100%オーガニックを導入すると発表しました。2008年ごろからすでに着手しており、2018ヴィンテージからオーガニックワインとしてのリリースに至っています。