title通りの稀珍本です。■『探奇小説美人嶋探險』鹿島櫻巷著。
此の辺の時代の小説は、目次の各章で梗概が一目瞭然に解る仕組み。歌舞伎のト書きの様に、各章を細かく敷衍して行きます。なので実際の文章を読まずとも粗筋が見えて来ます。併し実際の文章は明治独特の探偵物の重厚さで、読む者を緊張・圧倒させます。他の追随を許さない迫力が有ります。また緊張させると同時に「次はどう為る」の期待が漸次に高揚。一気に読み進んで仕舞います。
鹿島の本は国立国会図書館に『怪嶋探險』なる物が収蔵されてますが、章句を読むと此方も食指が動きますね。●表紙が若干汚れて居ます。●百年以上前の本です。紙質で経年の焼けが有ります。●なので神経質な方には無理です。●本の後ろに掲載されてる大學館の刊行物には、『空中電氣旅行』だの『滑稽開業女醫』だの『嗚呼～、腰瓣當』だの『滑稽女學生倶楽部』だのと、読んでみたい本がゴロゴロしてます。●本書の漢字には、全てRubyが振られて読み易いです。●全188頁。書き込み有りません。●私の自己紹介欄もお読み下さい。