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日本独自リマスターでございますが日本特有の高音中心で幾分杓子定規的ではございますが、非常に良心的な音質となっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Neal Schon(G、Vo、二曲Lead Vo ex-Azteca、Santana)、Gregg Rolie(Key、Lead Voex-Santana)、Ross Valory(B、Voex-Steve Miller Band)、
Aynsley Dunbar(Ds、ex-John Mayall the Bluesbreakers、Jeff Beck、The Aynsley Dunbar Retaliation、David Bowie、Frank Zappa、後にJefferson Starship、Whitesnake、U.F.O.、Tony Spinner他)となります。
プロデュースはバンド自身。
1976年5月~10月米国カリフォルニア州サンフランシスコ”His Master's Wheels”での制作となります。
宗教色を強めるCarlos Santanaに異を唱え
大傑作「Caravansarai」制作中にSantanaを離脱したGregg RolieとNeal Schon。
Neal Schonの将来に賭けたツアー・マネージャーHerbie Herbertも同調し離脱、新たにマネージメント”Nightmare”を設立。
そしてNeal Schon/Gregg Rolieを中心に”Happy Birthday
”を結成。
Ross VarolyそしてGeorge Ticknerを加えつつ、バンド名称を”Golden Gate Section
”に変更。
更にPrairie Prince(Tubes、後にNew Cars他)を加え活動を行うものの、Prairie PrinceがTubes復帰を懇願し離脱。バンドは危機を迎えます。
そこにFrank Zappa Bandに当時在籍の英国人ドラマーAynsley Dunbarが助っ人として加入するもバンドに将来性を見出し、Frank Zappaに断りを入れ正式加入。
バンド名を”Journey”と改め、メジャーのColumbia Recordsが獲得に乗り出し契約。
1974年11月にデビュー作制作に乗り出し、翌年4月に”Journey”をリリース。
”Santana Ⅲ””Caravansarai”の流れを汲み、ジャズ/ロック/フュージョン、(現在で言う)ハード・フュージョン系、ハード・ロックやアート/プログレッシヴ・ロック系を指向した質の高い音楽性で好評を呼ぶ事となります。
されど好評の反面、(時代性もあり)セールスは不振。更に「Santanaの二番煎じ」との批判も受ける事となります。
ツアー後に再び新作制作に乗り出す事となりますが、批判の有ったSantana色を払拭し音楽性を絞り込む事となります。
そして音楽性の相違や本人の進学の意向もあり、制作前にGeorge Ticknerが離脱。
アメリカン・ハード系の音楽性を中心に据える事となり、
ジャズ/ロック/フュージョンや(現在で言う)ハード・フュージョン系、
(米国で言う)アート/プログレッシヴ・ロック系の要素を加えた音楽性を指向。
本格的な作品制作を行い、
満を持してリリース。
そもそも将来性を期待され結成された”Journey”の核たる名手Neal Schonが多くの作曲に乗り出している事がミソ。
そもそもNeal Schonは基礎にクラッシック・ギターの技術をかなり叩き込まれており、その上にラテン・コミュニティ育ちという異色音楽キャリアの持ち主。
ラテン・リズム系で正確なリズム感に正確な技術や表現、そしてクラッシック・ギター技術習得の中で得たメジャーなメロディアス感とラテン・コミュニティで得たラテン・メロディアス感の融合という稀有な特徴を持つギタリスト。
前作制作時では未だ若干19歳という事で、キャリア組の他のメンバーの御膳立てした音楽性に乗っかる感がございました。
今作ではギター中心のアメリカン・ハード系の音楽性に絞り込んだ事やキャリアを積んだ事で自らの才能を活かし易くなった感があり、意欲的に創作に乗りだした感がございます。
ギター中心もありJimi Hendrix系統~アメリカン・ハード系の音楽性が楽曲によって感じられますが、不思議なメジャー/ポピュラー感が伴う事がミソ。
そこがNeal Schonの音楽的貢献の特徴の感がございます。
また後のSteve Perry加入後の音楽性に繋がるメジャーさやメロディアスさ、ポピュラーさが感じられる楽曲やカバー楽曲アレンジが存在している事も非常に興味深いものでございます。
Steve Perry加入後に大成功を収める事となるJourneyでございますが、その成功後の音楽性の基礎や土台が今作で窺える事がミソ。
Steve Perryの加入は非常に重要な要素ではございますが、Neal Schonの音楽性が持つ不思議なメジャー/メロディアスさ/ポピュラーさと
Steve Perryの音楽性との融合が
バンドの音楽性の大きな発展を齎した感がございます..............................
リリース後は好評を得るものの、セールスやチャート・アクションは(前作を超えたとは言え)不振。
バンドに迷いが生じる事となります............................
その中でツアーの合間に新作の制作に乗り出す事となります.....................................
さて今作。
核たるNeal Schonの作曲クレジットが5曲と減っておりますが、Aynsley Dunbarの作曲貢献が多い事がミソでございます。
前作の路線を引き継いだ楽曲がございますが、演奏面を重視した音楽性の感がございます。
そもそもJourney自体が名手揃い。
当時でもハイテク系バンドの感があり、当時ブームであった(現在のハード・フュージョン系に繋がる)クロス・オーヴァー系やプログレッシヴ・ロック系の音楽性を意識した感がございます。
但し、当時はかの”Rush”が注目を浴びつつある時期。
北米ではプログレッシヴ・ロック、イギリス/ヨーロッパ圏ではハイテク系ハード・ロックにカテゴライズされるバンドではございますが、(後程ではないにせよ)非常にハイテク感が強いトリオ編成。
実際、今作楽曲では”Rush”的なパート(かの名曲”Xanadu”ではございますが....)が登場、またハイテク重視の楽曲も見られるもの。
米国でのツアー活動で遭遇しており、同じハイテク系でもあるJourney側が一目置いていたのではなかろうか?という感がございます。
その音楽性を参考にしていた感がございます。
Aynsley Dunbarの演奏は以前よりもハイテク感を生かしたものでございます。
正直(初期Journey自体がそうでございますが..........)Aynsley Dunbarのベストワークの一つの感がございますが、故Neil Peartの演奏を意識した感。
Aynsley Dunbarの作曲貢献が目立ちますが、正直ここではなかろうか?と。
但し、”Rush”は綿密で計算された音楽性と作曲の譜面通りに、というもの。
”Journey”の場合はかの”Santana”を母体としている事もあり即興演奏が効くという音楽性。
また名手Geddy Leeはリード・ヴォーカリストとして個性を確立しているのに対し、Gregg Rolie/Neal Schonはあくまで演奏名手がヴォーカルを担当という感。
今作の演奏や音楽性の質は非常に高いものの、それらの違いが成功を分けた感がございます...........................
チャートアクションは前作よりも上がったものの、不振。
レコード会社のみならず名マネージャーHerbie Herbertもリードヴォーカルの必要性を感じており、制作中からバンド側に進言。
良いアイデアを持つものの演奏重視に偏りがちな
芸達者揃いのバンドに作曲面の客観性を持つリード・ヴォーカリストを加入させる事で、
バンドの音楽性を安定・ランクアップさせようとHerbie Herbertが画策した感がございます。
完成・リリース後はリードヴォーカルにRobert Fleischmanを迎え試験も兼ねツアーに勤しみ、作曲・デモ録音を行い、好評を得る事となります...............
(後にかのJohn Kalodoner推薦で”Asia”結成時のセッションに関わるものの加入出来る訳がなく、その後元KISSのVinnie Vincent率いるVinnie Vincent Invasionに加入。
脱退後はTV番組の音楽制作に携わり大きな成功を収めるという人物)
新体制にて待望の新作制作に乗り出そうとする矢先、と或るデモ録音がHerbie Herbertの元に届く事となります..................
稀代稀な運命の名ヴォーカリストSteve Perry登場。運命の歯車が回り始める事となります......................
現在では入手が困難。この機会に是非。
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