The Chair(ザ・チェア)は発表当初、背もたれのジョイント部分が現在とは違い直角だったため、あまり美しいとされず、籐を巻いて隠していました。しかし、後にその形状がフィンガージョイントへと改良され、美しいデザインとして再認識され、このジョイントは、現在では、ザ・チェアの特徴的なデザインのひとつとなっています。当時、Johannes Hansen(ヨハネス・ハンセン)社にてJH-501として生産が始まり、アメリカのデザイン・建築雑誌「Interiors(インテリアーズ)」にも紹介されましたが、ヨハネス・ハンセン社の閉鎖に伴い、PP Møbler(PPモブラー)社が、このエレガントなチェアを含む作品の数多くの製造を引き継ぎました。
Round Chair / The Chair - PP 503
PP Møbler(PPモブラー) The Chair(ザ・チェア) PP503
ウォルナット(オイルフィニッシュ)× エレガンスレザー
椅子の中の椅子
ウェグナーの名を世に知らしめた最高傑作
1949年にHans J.Wegner(ハンス・J・ウェグナー)は、
籐張り仕様のモデル(PP501)をアメリカ市場をターゲットとしてデザインし、
翌年の1950年に革張仕様のモデル(PP503)が発表されました。
ウェグナー自身が「ラウンドチェア」と呼んだこの椅子は、
発表された当時はあまり話題になりませんでしたが、
当時アメリカのデザイン・建築雑誌に掲載されるとたちまち話題を呼び、
伝説的な出来事がさらにこの椅子を一躍有名にします。
1960年のアメリカ大統領選の際、ジョン・F・ケネディと
リチャード・ニクソンが腰掛け、テレビ討論会を行ったことにより
世界的から注目を集める事となります。
加えて、アメリカのグッドデザイン展覧会で、
ザ・チェアがベストデザインにも選ばれ、
ラウンドチェア =「ザ・チェア」という愛称で呼ばれるようになります。
Hans J.Wegner(ハンス・J・ウェグナー)の最高傑作にして、
「椅子」と言う名を冠した、美しく普遍的にデザインされた北欧の名作椅子
それが「The Chair(ザ・チェア)」です。
ザ・チェアの特徴的なフィンガージョイント
The Chair(ザ・チェア)は発表当初、背もたれのジョイント部分が現在とは違い直角だったため、あまり美しいとされず、籐を巻いて隠していました。しかし、後にその形状がフィンガージョイントへと改良され、美しいデザインとして再認識され、このジョイントは、現在では、ザ・チェアの特徴的なデザインのひとつとなっています。当時、Johannes Hansen(ヨハネス・ハンセン)社にてJH-501として生産が始まり、アメリカのデザイン・建築雑誌「Interiors(インテリアーズ)」にも紹介されましたが、ヨハネス・ハンセン社の閉鎖に伴い、PP Møbler(PPモブラー)社が、このエレガントなチェアを含む作品の数多くの製造を引き継ぎました。
ウェグナーの最高傑作にして「椅子の中の椅子」
美しいプロポーションと計算されたデザイン、そして座り心地の良さなど、椅子としての必要な機能を合わせ持つ、もっとも完成度の高い椅子がこのThe Chair(ザ・チェア)と言われており、長いキャリアの中で数多くの椅子をデザインしているHans J.Wegner(ハンス・J・ウェグナー)の最高傑作にして「椅子の中の椅子」の愛称で呼ばれる、他には真似の出来ない美しく普遍的にデザインされた北欧の名作椅子です。
デンマークの優れたデザインが世界に躍進した出発点
自身が最も美しく見え、また当時腰に悩みがあったジョン・F・ケネディが、背中がとても自然にサポートされ、その快適な座り心地に感心し「これぞ、椅子の中の椅子。特別な椅子」という意味から「The Chair!」と呼んだそうです。ウェグナーのデザインと言うだけではなく、デンマークの優れたデザインが世界に躍進する出発点にもなったきっかけでもあり、モダンチェアの代表作にして椅子の歴史的にも非常に重要な一脚とも言えます。
The Designer and The Craftman
ハンス・J・ウェグナーのデザインは、スタイルやトレンドという言葉では語れません。それはシンプルさ、エレガントさ、機能性を追求した弛み無いチャレンジです。ウェグナーのデザインの特長は、機能性と心地良さを追求したこだわりとも言えます。彼が生み出した作品は、芸術的ですが美しいだけでなく、実用性も備えています。ウェグナーの遺した多くは、彼の職人としてのバックグラウンドの影響を大きく受けており、PPモブラーの工房で多くの時間を過ごし、卓越した職人たちと常に親密な対話をしてきました。そして、彼の手掛けた家具は時を経ても変わらずに人々を惹きつけ続けています。
Hans J.Wegner(ハンス J. ウェグナー)
1914年、デンマークのトゥナーに生まれる。弱冠17歳で家具職人のプロライセンスを取得後、1939年よりアルネ・ヤコブセンとエリック・モラーの共同事務所に入所、オーフス市庁舎の家具デザイン等を手掛ける。1949年、カール・ハンセン&サン社との仕事を開始。翌1950年に発表された「Yチェア」は、氏の代表作として、今なお世界中で高い評価を得ています。ミラノトリエンナーレのグランプリをはじめ受賞歴は数多く、1995年には永年の功績をたたえ、故郷のトゥナーに「ウェグナー美術館」がオープン。およそ70年の創作期間で手掛けた椅子のデザインは500種類以上にのぼるといわれます。
PP Møbler(PPモブラー)
PP Møbler(PPモブラー)は、家族経営のデンマーク家具工房で、1953年の創業以来、高品質なデザインの家具を作り出すというゆるぎない伝統を持っています。その根底に常にあるのは、木に対する愛情であり、技術や発想、手仕事を融合させることは「質」を求めるうえで欠かせない努力だという頑固なまでの姿勢です。PPモブラーの職人たちは熟練かつ革新的です。手作業にこだわり、生産過程をより新しく、より正確に行うことを要求されています。もちろん常に妥協を許さない素材に対する敬意と共に。PPモブラーで使用される、木の大部分はデンマークとドイツの持続可能な森林から採取しており、木と仕事をすることで得られる喜びは、環境に配慮するというPPモブラーの倫理基盤の不可欠な部分と言えるでしょう。そしてPPモブラーの目標とは、何世代にも渡る日常使いにも耐え得る、美しさと機能を兼ね揃えた家具を作り出すことなのです。