1965年横浜生まれ。株式会社リクルートに15年勤務した後、2004年に独立して、有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンス・ソフトの開発やMIDIインターフェース、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でもシステム周りの知識は深い。著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン」(インプレス・ジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)、「DTM用語辞典」(BNN新社)などがある。また、AVWatchで「藤本健のDigital Audio Laboratory」、アサヒ・コムで「オーディオステーション」の連載を行う。またAllAboutでは、「DTM・デジタルレコーディング」担当ガイドも務めている。
最新デジタル・サウンドのモニターに最適な高音質の密閉式ヘッドホン
RH-300は、最新の電子楽器/デジタル機器に最適化された密閉タイプの高音質モニター・ヘッドホンです。ネオジウム・マグネットを採用した新開発の45mmドライバーを搭載し、豊かなダイナミック・レンジを確保。高耐入力で大音量でも安定した再生を実現しています。
最新のデジタル・シンセやV-Drumsなどの立ち上がりの速いサウンドや重低音に対応し、Fantom-Xなどの全鍵サンプリング・ピアノ音なども余すことなく再現。またハイ・ビット/ハイ・レゾリューション化が進むデジタル・オーディオ機器のクリアな高音なども忠実に再生します。
ハウジング部は高級感あるアルミ・プレート仕様。大型で充分な容量を確保しながらも軽量、かつ柔軟なイヤーパットで装着感もよく、長時間使用でも疲れにくい設計となっています。
また、ケーブルにはOFCリッツ線3.4mのストレート・タイプを採用。ミニ端子、標準端子どちらでも使用可能な変換プラグも付属しています。
■藤本健氏のコメント
新開発されたという45mm大口径ドライバを搭載した密閉式スタジオ・モニターがこのRH-300です。ハウジング部はマット仕上げのアルミ・プレート仕様となっており、ルックスの点でも高性能なヘッドホンであることを期待させます。
大口径ドライバを内蔵しているということもあり、イヤー・パッドはかなり大型で、ほとんどの人は耳をつぶさずに完全にカバーできる形状になっています。パッドの素材も硬すぎず柔らかすぎずで、決して超軽量な部類のヘッドホンではありませんが、装着感はかなり軽く感じます。長時間の演奏およびリスニングにも不快感は出ないでしょう。
スタジオ・モニターはまず第一に原音を忠実に再生することが目的ですが、RH-300は特に高音部の立ち上がりと収束が速く、キレを感じるサウンド。低音部も適切なレベルで鳴り響き、全域のバランスのよさを感じます。またモニター的な方向性でありながら、微妙に色気を感じるサウンドとなっていることも特徴で、リスニング用途としても魅力あるヘッドホンです。
■仕様
■スタジオ・モニター・ヘッドホンとは?
一般的にヘッドホンといえばCDやデジタル・オーディオ・プレイヤーの再生音、つまり完成した曲を聴くためのリスニング向けヘッドホンが主流です。リスニング向けヘッドホンにもさまざまな製品がありますが、基本的な方向性としては音楽をいかに気持ちよく、魅力的に鳴り響かせるかを目指しており、そこには開発者の考える魅力的なサウンドを実現するため、固有の色付けがされています。つまり製品それぞれが独特のキャラクターを備えている、といえるでしょう。
リスニング向けに対し、ある意味では対極にあるといえる存在がスタジオ・モニター・ヘッドホンです。これは楽器演奏やミキシング/マスタリング時にモニターするため、つまり、今まさに作っている曲を耳で確認するためのヘッドホン。そのためスタジオ・モニター・ヘッドホンでは原音に対して過剰な色付けは禁物となります。演奏をモニターしたサウンドが実際の演奏音からかけ離れては、プレイヤーが意図した音楽をリスナーに届けることはできません。
スタジオ・モニター・ヘッドホンにまず求められる資質は、原音を忠実に再現できること。そのためには特定の音域だけが突出することなく、全域をバランスよくフラットに出力できることが重要です。一音一音を確認できるよう、ダイナミック・レンジが十分に広く、そして解像感が高いことも必要でしょう。
そして忘れてはいけないのは、じっくりと演奏や曲作りが行えるよう、装着感に優れることも求められます。装着していて不快感を感じるようなヘッドホンでは長時間のステージには耐えられませんし、ルーズ・フィットでは不快感はなくともノリのよい演奏は行えません。
原音を忠実に再生する、この方向性は一見単純なようでありながら、スタジオ・モニターとして万人が満足行くヘッドホンは意外なまでに難しい設計条件です。ローランドは専業楽器メーカーのノウハウを活かし、スタジオ・モニター・ヘッドホンをデザイン。フラットな特性を実現しながら、楽器を弾く楽しさを感じられるサウンドを備えています。
●藤本健氏について
1965年横浜生まれ。株式会社リクルートに15年勤務した後、2004年に独立して、有限会社フラクタル・デザインを設立。リクルート在籍時代からMIDI、オーディオ、レコーディング関連の記事を中心に執筆している。以前にはシーケンス・ソフトの開発やMIDIインターフェース、パソコン用音源の開発に携わったこともあるため、現在でもシステム周りの知識は深い。著書に「コンプリートDTMガイドブック」(リットーミュージック)、「できる初音ミク&鏡音リン・レン」(インプレス・ジャパン)、「MASTER OF SONAR」(BNN新社)、「DTM用語辞典」(BNN新社)などがある。また、AVWatchで「藤本健のDigital Audio Laboratory」、アサヒ・コムで「オーディオステーション」の連載を行う。またAllAboutでは、「DTM・デジタルレコーディング」担当ガイドも務めている。