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31,200円
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日本独自リマスターではございますが、日本特有の高音中心で幾分杓子定規的ではございますが、非常に良心的な音質となっております。
また特典ボックスでございますが、幾分使用感と擦れがございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Steve Walsh(Vo、Keyex-Streets)、Steve Morse(GB-vo、現Dixie Dregs/Deep Purple/Steve Morse Band、ex-The Dregs)、Phil Ehart(Ds、Per)、Billy Greer(B、B-vo、ex-Streets)、Richard Williams(G)となります。
「Power」:
プロデューサーはAndrew Powell(かの初期中期The Alan Parsons Projectのストリングス・アレンジャー)、
(ミキシングを含めた)エンジニアはNigel Walker(名手故Gary Mooreのサウンド・エンジニアでライヴ盤”Rockin' Every Night”制作に携わる)。
また”All I Wanted”のみミキシングがHumberto Gatica(かの名プロデューサーDavid Foster配下のエンジニア。かのChicago”16””17”等手掛ける)となります。
ゲスト参加として、かのフィルハーモニア管弦楽団が全面参加となります(アレンジ/指揮はAndrew Powell)。
1986年10~11月米国テネシー州フランクリン”The Castle(Castle Gwynn)”での制作、オーケストラ録音は英国ロンドン”Air Studios”。
尚ミキシングは英国イングランド・サリー州ファーナム”Jacob's Studio”、”All I Wanted”のみ米国ロサンゼルス”Lionshare Studios”となります。
”In the Spirit of Things”:
ゲストにGreg Robert(Key Programming、B-vo当時はKansasのツアーサポート。後に加入)、Terry Brock(Vo、当時Strange Ways、当時Ian Gillan解雇後Deep Purpleの新ヴォーカル候補の一人)、
John Pierce(Fletless B)等がございます。
プロデューサーはかのBob Ezrin(KISS、Pink Floyd、Alice Cooper、Trevor Rabin、Deep Purple等手掛ける)、Greg Ladanyi(全盛期Jackson Browne等手掛ける)、Phil Ehartとなります。
(ミキシング含めた)エンジニアはBob Ezrin(3曲のみGreg Ladanyi)となりますが、Stan Katayama(後にHR/HM系で知られるプロデューサー)、
Brandan O'Brien(Black Crows、Bruce Springsteen、AC/DC、Pearl Jam、Soundgarden、Aerosmith等で知られる名プロデューサー)という興味深い参加がございます。
1988年8~9月米国ジョージア州アトランタ”Soundscape Studios”、同カリフォルニア州ロサンゼルス”Cam-Am Recorders””Ocean Way Recordings”での制作となります。
七十年代末期音楽性の中心であった名手Kerry LivgrenやDave Hopeがカトリック教徒に改宗。その教えを音楽性の基とした隠れ名盤「Audio Visions」を制作したKansas。
されど音楽性に違和感を抱いた名手Steve Walshはツアー後、脱退。
自身のリーダーバンド”Streets”をBilly Greer/Mike Slammer(ex-City Boy、後にWarrantセッション(笑)、
Steelhouse Lane等)等と結成。
プログレ/ハード系で八十年代を意識したコンパクトな音楽性を指向し、契約を獲得。活動に勤しむ事となります。
Kansasは後任に(米国メロディアス/クリスチャン・ハード系で通に知られる事となる)名手John Elafanteを起用。
カトリック的な価値観を歌詞に認めるも
こちらも時代性を意識した音楽性を指向、八十年代プログレ/ハード系に音楽性を移行する事となります。
Kansasは音楽的な居場所を失っていた名手Robbie Steinhardtの離脱を挟み、
両者共に2作を制作。
その後KansasではKerry LivgrenがKansasとしての活動に異議を唱え、離脱。ツアー活動を離れる事となります。
活動の継続を図ったKansasは新作制作を見越してベスト盤用に新曲を制作するもののレコード会社はKansasの音楽性に興味を失い、ベスト盤リリースのみで契約を解除と相成ります。
双方二作共に名盤と称されるもののセールスは低迷。それぞれが契約を失い、活動が停滞。
それぞれが解散を余儀なくされる事となります..................
その後米軍慰問プロジェクト参加が企画される事となり、二度目の慰問ツアーにSteve Walsh/Phil Ehart/Richard Williamsが参加。
そこで再結成への話し合いが持たれる事となります。
その後再結成に合意。
全盛期のラインナップで始動するものの契約は得られず、またKerry Livgren/Dave HopeがKansasとしての創作に興味を持たず、短期間で崩壊。
Walsh/Ehart/Williamsで新生Kansasとしての再始動を決意。新ラインナップ構想へ移行する事となります。
Streetsや末期Kansasで指向したプログレ/ハード系路線を音楽性とする事で一致。
また時代は八十年代HR/HMブーム。そしてギターヒーローが持て囃される時代。それを加味する事となります。
されど新たな音楽性や時代性に合わない事で
Kansasの象徴でもあったヴァイオリン奏者の起用を断念する事となります。
名手Steve WalshはStreets同僚の名手組Billy Greer/Mike Slammer起用を提案するも、Streetsの音楽色が強くなり過ぎる、
そして名手Mike Slammerはギターヒーロー感を持ち合わせていたものの、音楽性はシンプルなメロディアス・ハード指向。
そもそもアート/ポピュラー系英国名バンド”City Boy”出身ではあったものの、プログレ色は薄い事から構想から外れる事となります。
そして(他分野ではございますが)Kansasの影響が絡む事から、Dixie Dregs~改名The DregsそしてSteve Morse Bandと活動を継続していたジャズ/フュージョン系ハイテク名手Steve Morseをスカウトする事となります。
名手Steve Morse自身もKansasの音楽性を好んでおり、加入を承諾。創作を開始する事となります。
その後(来日含めた)
第三回米軍慰問プロジェクト・ツアーで新生Kansasが始動、新たな音楽性を聴衆(というか米軍兵士)に試す事となります。
良い反応を得てツアー後の10月にAndrew Powellをプロデュースに迎え、本格的に制作開始.........という面倒な経緯がございます...........
さて、「Power」。
非常に高品質な作品でございますが、Kansasとしては非常に異色な作品。
八十年代HR/HMブームを強く意識したハードで躍動感強い作風でございます。
名手Steve Walsh曰く「洒落たバンドになりたかった。それでそういう音楽性を指向した」との回想がございますが、それが窺えるもの。
メロディアス/ポピュラー感が強く、非常に洗練されたものでもございます。
鍵は名手Steve Morseでございます。
かのマイアミ大学出身でアカデミックさが背景にある名手ミュージシャン。
同期の友人にDixie Dregs同僚のみならず、かのPat Methenyや故Lyle Mays、Bruce Hornsby、Will Lee等個性派名手揃い。
また講師仲間にかのベースの革命児名手故Jaco Pastoriusという驚きの人脈。
何をか言わんや、でございます...........................................
また一聴Streets的なシンプルなプログレ/ハード系の音楽性に見えるものの、非常に洗練され凝ったアレンジ。
アカデミック感を背景として細かく理路整然。楽曲展開も早いもので、起伏が強いもの。
名手Steve Morseのハイテク感を強く活かしつつも大作主義的な感覚が聴かれるものでございますが、またプロデューサーのAndrew Powellがかの王立音楽院出身である事もミソでございます。
Kansasの過去の音楽遺産を形を変え活かした感が窺え、非常に興味深いもの。
されど名手Steve Morseの背景にあるケルト系メロディアスさをも生かしており、かなり通好みの感。
異色とは言えど米国プログレの代表格であるKansasの作品ではある事は間違いない作品でございますが、細かいアカデミック感を背景とした一番理路整然とした作品の感がございます。
ヴァイオリン奏者の不在やKansas特有の大作主義的な音楽性はオーケストラ付帯で補うという感。
初期中期The Alan Parsons Projectでアート/前衛~ポピュラー系オーケストラ/ストリングス・アレンジを担ったAndrew Powellの起用が頷けるものでございます。
また当時のHR/HMブームにおけるハイテク・ギタリスト・ブームを強く加味したもの。
名手Steve Morseは今作にてHR/HM分野初登場となりますが、こちらは本物のハイテク・ギタリスト(何せジャズ/フュージョン系名手ですし......)。
派手で凄まじい演奏が聴かれますが、非常に印象的でメロディ重視そして楽曲に合致するもの。
楽曲毎の音楽性に合わせたもので
緩急を上手く生かしたもの且つ非常に正確な技術にリズム感。
当時は「我々が聴くHR/HMの技術は子供なんだよな」と感嘆する事しきり。音楽世界は広い、と認識させられたものでございます。
かのDeep Purpleの名手Ian Gillan/Roger Gloverが離脱となった名手Joe Satrianiの後任人選で即座に名手Steve Morseの名が挙がった事が窺える今作での創作含めた活躍ではございます.............
リリース後は好評。
嘗て程ではないにせよチャートアクション/セールスを記録する事となりますが、時代は反八十年代音楽・サウンドに突入しつつある時期。
スラッシュ・メタル台頭の足音、そしてかのグランジ/オルタナの鼓動が聞こえるという時代。
また、従来のKansasファンから「これはKansasではない!」との非難も受ける事となり、バンドは音楽性の修正を図る事となります.............
さて、「In the Spirit of Things」。
Dan Fitzgerald著1979年作「Ghost Towns of Kansas: Volume Ⅱ」を基としたコンセプト作でございます。
そもそもKansas地域開拓時代に誕生した100程の街の興隆と存亡・消滅を描いた史実に沿う歴史小説の模様。
(現在跡地は農地化.......廃墟という痕跡が残っている模様)。
今作では大洪水にて破壊され荒廃し衰退、消滅しつつある街を舞台に、自然や時代の流れに翻弄される様々な人間模様を描いた感がございます。
随分と昔から「都市”Kansas”を舞台にしたコンセプト作を創作したい」との漠然とした意向がバンド側にあった模様。
Richard Williamsの今書読書が切っ掛けとなり、
Walsh/Ehartが中心となり、
その作品を基に制作に乗り出した訳でございますが、著作者本人を史実考証等を含めたアドヴァイザー的な役割で制作に招き入れている事がミソ。
並々ならぬ力の入れ様という感がございます。
また、プロデューサーはかのBob Ezrin。
Pink Floyd絡みで大作主義的な作品制作に長けている事で知られますが、そもそもがバンドの勝負作制作やバンド再生プロデューサーとしても知られる方でございます。
前作は好評ではあったものの、セールス/チャートアクション共に以前程ではないもの。
当時はプログレ系受難の八十年代。
かの”Marillion”共々よくぞこのコンセプト作制作企画が通ったものだ、という感がございますが、Bob Ezrinという存在が制作の鍵という感がございます。
前作での「これはKansasでは無い!」とのファンからの批判から、七十年代全盛期Kansasの音楽性を強く意識した感がございます。
往年のKansasの音楽性を新ラインナップそして八十年代という時代を意識し、再現を図った感がございます。
レコード会社から「売れる作品を!」との圧力を掛けられていた感が有り、新生Kansasの指向する音楽性、従来のKansasファンの要望と八十年代という時代、そしてレコード会社の要求の中での折衷案という感がございます。
嘗ての七十年代全盛期Kansasの要素や雄大な大作主義的な作風がコーラス・ワークやオルガン等の使い方から
窺えるもの。
また、前作の綿密でアカデミックなアレンジを避け音楽の隙間を設けシンプル化、楽曲の展開を緩くしたという感がございます。
また、前作では名手Steve Morseのハイテク性を強く活かすという感が有り、名手Richard Williamsの出番が非常に少なかった事からもそこにも配慮した感。
名手Steve Morseのハイテク演奏を効果的に生かしつつ、ツインリードギター編成というバンド個性を音楽性に生かすという感がございます。
また”T.O.Witcher”に注目。
今作の音楽性に沿う
ギター・インスト作ではございますが、かの名バンドDixie Dregsの自主制作1st”The Great Spectacular”に収められていた楽曲の再録音。
されど、Steve Walshの作曲クレジットが加えられている事がミソ。非常に興味深いものがございます...................................
非常に高品質で後に八十年代プログレを代表する一作としてプログレ系ファンを中心に好評となりますが、残念ながらセールス/チャートアクション共に惨敗。
前作を大きく下回る事となり、ツアーは好評ではあったものの契約は解除となります.............................
その後のKansasは毎度御馴染み「音楽業界や聴衆による興味の欠如」から契約が得られず、ツアー活動に終始する事となります.......
ソロとしての契約が残っていた名手Steve Morseは、Dixie Dregs~The Dregs、Steve Morse Bandの同僚と共に初のソロ作「High Tension Wires」を制作。
アンビエント系の要素を取り込んだメロディアスさの強い大傑作と高い評価を受けますが、セールスは惨敗。
こちらも契約解除の憂き目に遭う事となります............................................
この時期名手Steve Morseは音楽業界の理不尽さと不誠実さに嫌気が差しており、活動の合間に商業パイロットの資格を取り、音楽業界からの離脱・引退を真剣に考えていく事となります..............
(周囲のミュージシャン含めた音楽関係者の説得に遭い、後に撤回。その後MCA配下のレーベルで再起を果たします。
新体制Steve Morse Bandとして”Southern Steel””Coast to Coast”という大傑作を制作。ミュージシャン界隈を中心に好評を博す事となります。
その頃、名手Ritchie Blackmore突如脱退後のツアーを名手Joe Satrianiの助っ人で乗り切り大好評を博したDeep Purple。
名手Joe Satriani離脱後の後任人選を進める事となりますが、
名手Ian Gillan/Roger Gloverの推薦で白羽の矢が立つ事となります............)
この時期、「ヴァイオリン奏者は如何ですか?キーボードもギターも弾けます、作曲も出来ます。雇って頂けませんか?」とバンドを訪ねたミュージシャンがございました。
当時はヴァイオリン奏者を必要としておらず却下となりますが、興味を持ったバンド側は繋がりを持つ事と相成ります。
そのミュージシャンは何と!名手David Ragsdale!
非常に興味深い出会いではございます........................
この後、様々なメンバー変遷を経る事となるライヴ活動中心の創作活動低迷期に突入する事となりますが、その中でこの名手David Ragsdaleに白羽の矢が立つ事となります.....................
昏迷の果てに光が差す事となります............................
(後に名手David Ragsdale在籍新生Kansas 大傑作”Freaks of Nature”が制作されます。
かのMahavishnu Orchestraの音楽性や往年のKansasの音楽性を加味し、攻撃的なヴァイオリンが印象的で躍動感ある非常に興味深い意欲的で高品質な音楽性ではございました。
でも、今二作と似た批判が聞かれる事となります..................
その後名手Robbie Stainhardt復帰。嘗ての中心メンバーKerry Livgren作曲での新作が制作されますが、評価もセールスも変わらず。
何かねぇ................)
現在では入手は困難。この機会に是非。
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