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日本独自リマスターでございますが、日本特有の高音系中心で杓子定規的な感がございますが、オリジナルに即しており、非常に良心的な音質でございます。
また紙ジャケットでございますが、日本初回リリース時の厚紙仕様を再現した感がございます。
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Ritchie Blackmore(G、ex-Deep Purple)、故Cozy Powell(Ds、ex-The Sorcerers、Ace Keford Stand、Big Birtha、第二期Jeff Beck Group、Bedlam、Cozy Powell's Hammer、Rainbow、後にMSG、Whitesnake、
Emerson,Lake Powell、Black Sabbath他)、Roger Glover(B、現Deep Purple)、Don Airey(Key、現Deep Purpleex-Cozy Powell's Hammer、ColosseumⅡ、Rainbow、後にOzzy Osbourne Band、Jethro tull他)、
Graham Bonnet(Vo、ex-Marbles)
となります。
前作のアメリカでの不振からBob Daisley/David Stoneを理不尽に解雇。アメリカでの成功を目論むRitchie Blackmoreは音楽性の変化を求めてRonnie James Dioと対立、
Key奏者の後任にCozy Powell関連のDon Airey起用と擦れ違い様に解雇。
プロデューサーとして名を馳せていた元同僚のRoger Gloverを、助っ人としてCozy Powellの第二期Jeff Beck Group時代の同僚名手Clive Chamanを起用。
制作に取り掛かるものの、
名手Clive Chamanはブリティッシュ・クロスオーヴァー系でBlackmoreが嫌うファンク色、更には
後任に選んだベーシストJack Green(ex-T-Rex、Pretty Things)はRitchie Blackmore好みであったものの
他には技術的に不評。
そこでRoger Gloverを説得、加入させる事に成功となります。
後任のヴォーカリストにPete Goalby(ex-Trapeze、後に新生Uriah Heep)を起用するものの、本人に興味は音楽性に興味がなくあっけなく離脱。
状況に辟易したCozy PowellはWhitesnake(David Coverdale)からアプローチを受け、脱退を決意するも名マネージャーBruce Payneに説得され、残留。
制作と並行しヴォーカルオーディション選考を行うものの
地獄と化し辟易。挙句の果てには嘗ての犬猿の仲のRitchie Blackmore同僚”Ian Gillan”にアプローチするものの自身のバンド”Gillan”が絶好調の為、却下。
(窮余の一策でしょうか?)「Marblesのヴォーカルは何処行った?」の一言で急遽捜索。かのロバート・ステグウッド(Jack Bruce、Eric Clapton手掛ける)のレコード会社兼事務所で働いていた事が判明。
そして運命の”Graham Bonnet”が登場、完成への道筋に光が.............という非常に面倒な経緯がございます.................................
”中世
空想
特撮時代劇”的な感覚の音楽性であった
前作以前と打って変わって非常にストレートな作風、非常にロック色の強い作風で以前に比べてシンプルな感がございます。
タイトル同様「地に着いた」感のあるものとなっております。
現代感のあるアメリカ指向の砂埃舞う感のあるHRではございますが、違和感なくレインボウ特有の中世感のあるメロディ感覚やシンフォニック色が組み込まれているのがミソ。
Roger Gloverというプロデューサー兼作曲・アレンジャーに非常にアカデミックな経歴を誇る事からも音楽性に介入したがるDon Aireyという強力なメンバーの存在から非常に練られた楽曲が目立つものでございます。
但し、Roger Gloverというプロデューサーは音楽の隙間を非常に大切にする特徴があり、練り込まれても息苦しさを感じさせないものでオーヴァーダビングも案外控えられたものとなっております。
Ritchie Blackmoreのポピュラー指向(何せ「ABBAが大好き!」とも宣う方ですし.................)が表に強く出てきた時代で、かのRuss Ballard(ex-Argent)の件のカバー楽曲を収録した事からも顕著。
それを巡って故Cozy Powellと深刻な対立を招く事となりますが、あのスタイルの楽曲をGraham Bonnetの強烈なヴォーカルで聴かせる事が肝の感がございます。
そもそも”猫の目の様に変わる”Ritchie Blackmoreのギターサウンドではございますが、
からりとして押しの強い男臭いタフで
強烈なスタイルを持つヴォーカリストになった事もあり、
それに合わせた乾いた感のあるあまり味付けをしないシンプル
な音質となっております。アメリカ指向とでも申しますか............................................................
また第二期Deep Purple時代ではベーシストとしては評価は低かったRoger Gloverでございますが、プロデューサーとして名を馳せた経験や様々なベーシスト起用が演奏者として相当な向上を齎した模様で
(そもそもソロイスト的な方ではございませんが)フレーズのセンスやリズム感覚等非常に唸らせるものとなっております。
Cozy PowellやDon Aireyは言わずもがな、でございますが、(両者共に本音の音楽性ではない事もあるのか?)案外セッション・ミュージシャンとしてのキャリアを感じさせる感のある演奏でございます..............................
(日本ではHM/HR版”横山や○し”と笑われた.........特にAlcatrazz時代は..........)Graham Bonnetもキャリア随一のヴォーカルを聴かせます。
制作中も面倒な経緯がございます。
Graham Bonnetは「歌うだけ」と作曲・アレンジ参加を拒否(後のMSGではMichael Schenkerに怒られた模様で渋々参加した模様でございますが.......指導員付きで)。
仕方なくRoger Glover
が歌詞とヴォーカルアレンジを担当
(案外歌える方でございます.........ソロ作”Mask”参照)という”プロデューサーはつらいよ”という話がございます...........................
ギターを投げつけたり、また気にくわないとDoowap系の衣装を隠したRitchie Blackmoreに対して丸刈りに近い髪形に髪を切るという、非常に嫌味な(笑)報復が行われたとか...........................................................なんだかな~
ヴォーカル交代や音楽性の大幅な変化があったものの、以前よりも成功した作品となりバンドは順風満帆と表向きはなりましたが、”Since You Been Gone”を巡り対立した故Cozy Powellが(音楽性を含め)バンドに疑問を持っており、
この頃から「レコードと同じ事はやりたくない」とRitchie Blackmoreが(
バッキング演奏を含め)
ライヴで異なる演奏を行う様になり、それがCozy Powellには手抜きと映った模様でございます。
重要なメンバーではあってもあくまで
レインボウは
Ritchie Blackmoreのリーダーバンドでございます。
自身が納得する音楽性やそのコントロール、
そして自身が理想とするミュージシャンシップやプロフェッショナリズムを生かせるのは自身のリーダーバンドでしかないと考え、脱退を決意する事となります.....................................
そして第一回”Monsters Of Rock”...................................................
エンジニアはGary Edwards。後にRoger Glover手掛ける”MSG”1stでのエンジニアやメジャー契約時の試験録音”Invasion”(かの”Soundhouse Tapes”の再録音)でプロデュースも兼ねる方でございます。
この機会に是非。
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