新撰千字文四体・5分冊/桑原江南/非売品/むずかしい漢字は努めてこれを避け内容も日本的にして現代社会に適した平易なものとなっている
商品説明
新撰千字文四体・5分冊/桑原江南/非売品/むずかしい漢字は努めてこれを避け内容も日本的にして現代社会に適した平易なものとなっている
昭和61年非売品4冊＋索引 ゆうメールレターパック規格外部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。
新撰 千字文 に つ い て
「千字文」と言えば梁の周興嗣の撰した「天地玄黄......」のことに限られているようだが、それ以前に魏の鐘謙 が作ったのがあって周興嗣はそれに倣って撰したということであるが、鐘録の千字文がどのようなものなのか、遺文がないので不明である。内容は天地開闢より天文・社会・歴史・人事等縷々一千字を四言の詩に韻を踏んで綴られているので、文字学習のテキストとして昔から広く親しまれて来た。日本にも応神天皇十六年に百済から王仁が将来し論語十巻と共に献上したと伝えられているが、周興嗣の千字文であったかどうかは論議のあるところ。
とも角中国でも日本でも書道の教材と言えば、まず千字文であった。恰も日本でかなの学習には「いろは歌」が手始めであった様に。けれども、文の内容は中国の故事などが多く日本人には親しみ難いものがあり、用いら れている文字も使用頻度の少い縁遠いものも多いので、必ずしも好適なテキストとも思 われない。
-このたび発表する「新撰千字文」は、むずかしい漢字は努めてこれを避け、内容も日本的にして現代社会に適した平易なものとなっている。原文は中華民国の書家であり学者である李普同先生 (天慶、中国文化学院大学書学研究所教授)苦心の作である。それを漢詩文の大家大野峻先生(南山、東海大学元文学部長教授)が筆を加えられ、最後に私が同字を避けたり難解 の語句を差換えたりして定稿としたものである。
今年私は満八十歳に達したので、八秩記念として「江南半寿書展」を開催し、陳列作の中にこの千字文を未定 稿のまま隷楷行草四体に書いた。序を以てこれを上梓すべく急拠この冊子を作ったのだが、何せ惚忙の執筆とて旬日の間に四体書き上げてしまったので甚だ粗末なものとなり、又して恥を晒すだけの仕儀となった。成るがま まの一発勝負、八十の老老の仕事として御囁い下さい。
昭和六十一年七月一
桑原江南
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