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日本独自高音質仕様でございますが、本国マスターテープのデータ化の際に現在主流でデータ重視のフラットマスタリング方式を使用した模様。
その音源を使用した模様で厳密に言えばリマスターではございませんが、
(オリジナルに即したものとなっており)良心的な音質となっております。
そもそも三十年前に日本独自でリマスター再発が成されており現在とは技術的に雲泥の差があるものではございましたが、非常に良心な音質でございました。
その時代のものに比べ、音質があまり変わらないのでは?との批判がございます。
そもそもリマスターはマスターテープの再現が一番重要な問題。The Who、Genesis等で行われた音質根本改善の為のリミックスとは異なるものでございます。
そもそもの制作エンジニアが後にRupert Hine配下でHoward Jones等を手掛けるStephen W.Taylor。
かの”初期Bruford”や”初期U.K.”を手掛けた方でもございますが、テクノ系の音造りに絡む独特の音造り。
それに絡む感もございます...............................
内容は言わずもがな。
ラインナップは名手揃い。
Percy Jones(B、
後にDavid Sylvian、Tunnels
)、
John Goodsal(G、後にFire Marchants)、Peter Robinson
(Key、ex-Quatermass、Sun Trader、Phil Collins、Mike Rutherford他、後に映画音楽やTVサントラで名を成す
)、
Morris Pert(Per、KeyMike Oldfield他)、Chuck Burgi
(DsPer、Daryl Hall John Oatesサポート、後にRainbow、Meatloaf、Red Dawn、Billy Joelサポート他)
となります。
プロデュースは何と!Robin Lumleyとなります。
1978年5月~6月英国・ロンドン、毎度御馴染み”Trident Studios”での制作となります。
世界的なクロスオーヴァー・ブームの最中、1975年かの名パーカッション奏者Morris Pertを中心として結成。
またGenesisの活動の合間に故Peter Banks(ex-Yes、Flash)を加えてのライヴ企画バンド”Zox and the Rader Boys”を結成していたPhil Collins。
前述のバンドを母体に故Peter Banksが”Empire”結成・活動に移行、更にはGenesisの看板ヴォーカリストPeter Gabriel脱退騒動後のバンド活動空白期も加わりバンドに合流。
かの”Island”の契約を得てデビュー作の制作に臨み完成するものの思う様な成果が得られず、またレーベルの意向でお蔵入り。
活動を継続するものの主催者Morris PertがMike Oldfieldとの活動で離脱。されど今度はGenesis等で御馴染み”Charisma”が獲得に乗り出し契約締結。
四人編成として再スタートを切ったGenesisの新作”A Trick of the Tail”制作と並行して再びデビュー作の制作に乗り出します。
今作制作後にMorris Pertが復帰となりますが、Genesisの活動多忙の為、Phil Collinsはツアー不参加。
名手Kenwood Denate(Pat Martino Joyous Lake他)、名手Bill Bruford他を迎え、ツアーを敢行し好評を博します。
作品制作にはPhil Collinsが復帰し、本来のラインナップとしての初の作品大傑作2nd「Moroccan Roll」を制作。
Genesisでの活動多忙の為、再びPhil Collins離脱し、再びKenwood Denate等迎え、ツアーを敢行し再び好評を博す事となります。
またライヴ録音を行い、ツアー後ファン待望のライヴ盤「Livestock」を制作。
(但し、三曲がPhil Collinsのテイクとなりますが、オーヴァーダビングの可能性がございます)
好評を得ますが、Genesisがトリオ化し更なる成功を収めた事で活動が更に多忙となり、今度はPhil Collinsは完全不参加。
またプロデューサー業で多忙なRobin Lumley、加えてKenwood DenateもPat Martino Joyous Lake参加で離脱。
(離脱とは言えどバンドには在籍しており、この辺りから編成の柔軟化が始まる感....................)
後任にPeter Robinson/Chuck Burgiを迎え、新体制を確立。新作制作に乗り出す.....................という面倒な経緯がございます................
当時の世界的なクロスオーヴァー・ブームの影響下ではございましたが、Brand Xは英国ジャズ・ロック/クロスオーヴァー系中心で幾分
現代音楽絡みの音楽性でございます。
されど、プログレッシヴ・ロック系のみならずHR/HM系や民族音楽系というアクの強い個性が更に融合した音楽性で当時の世界的なクロスオーヴァー系とは一線を画す感がございます。
(プログレッシヴ・ロック絡みという事もあり)
非常にスリリングで複雑な演奏・アンサンブルではございますが、細やかさが伴うもの。
案外音楽性の難解さが薄いものがミソでございます。
また当時の英国ジャズ・ロック/クロスオーヴァー・シーンやその周辺(現代音楽系)との絡みを音楽面で垣間見る感があり、非常に興味深いものとなっております。
Percy Jonesの存在自体が肝で音楽性含め非常に個性的。
エレクトリック・ベーシストではございますが、奏法やフレーズにアップライト奏者の影響が伺えるもの。
更には当時の(Alphonso Johnson/Jaco Pastorius等)ファンク/グルーヴ等演奏者のものとは明らかに異とする感があり、フレーズのセンスも民族音楽・前衛絡みで非常に興味深いもの。
後の異才天才名手Jonas Hellborgが登場致しますが、その演奏・音楽性の基礎となった感がございます。
また後に米国ニューヨークに登場する異才David Fiuczynski等にも強い音楽的影響を与えた感があり、非常に興味深いものでございます。
Percy Jones/Phil Collinsという英国屈指の名リズム隊に注目が当たりますが、John Goodsallの演奏にも注目。
共にジャズ/ロック~プログレッシヴ・ロック系ではございますが、後者は明らかにHM/HR系の影響が強いもの。
後に登場するScott Henderson(Tribal Tech)に(音楽面含め)影響を与えた感がございます。
さて今作。
Brand XがGenesis絡みと言う事がありその成功を鑑みて、今作ではレコード会社が「もっとポピュラーな作品を」という依頼があった感がございます。
以前の作品に比べ垢抜けた感があり、コンパクト感と大作主義に音楽性を分けた感がございます。
メロディ重視ではございますが、コンパクトさやニュー・ウェイヴ系のポピュラーさが加わった感があり、明るさが伴うもの。
以前作とは趣が異なる感があり異色感がございますが非常に質の高い音楽性で、
演奏・アンサンブルは抜群。
八十年代という新しい時代に向けてジャンルを超え音楽性を模索する時代に生まれた傑作の一つという感がございます。
初参加のPeter Robinson/Chuck Burgiの演奏にも注目。
後者は後にHM/HR系セッションで名を成しますが、後にも先にもこれ以上の演奏は聴かれぬハイテク振りでございます。
また前者は後々にPhil Collins/Mike Rutherfordのソロ作にも絡み、映画音楽やTVサントラ等で成功を収める事が伺えるポピュラー感が演奏等見受けられる事が非常に興味深いものでございます。
英国ではそれなりのヒットとなり、アメリカでは通が注目という感がございますが、レコード会社がセールスに不満。
次作からPercy Jones/John Goodsall、John Goodsall/John Giblinそれぞれ中心としたバンドの本音とポピュラー面をラインナップで分けた音楽性を指向する事となります..............................
されど、このバンドが与えた影響は非常に大きなもの。
この日本のみならず更にはメジャーのみならずジャズ/フュージョン系名手ミュージシャンのみならず、プログレッシヴ・ロックやHR/HM系名手ミュージシャンの愛聴盤として時代を超え聴き継がれていく事となります.....
かの名手渡辺香津美さん率いた”Kazumi Band”の大傑作二作”頭狂奸児唐眼””Ganaesia”に繋がる音楽性でもございます......................
Percy Jones曰く、「1stと並ぶ最高傑作」との事でございます.....................................
現在では入手が困難。この機会に是非。
注:発送方法は変更になる場合がございます。宜しく御願い致します。