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ボルドー最高峰!至高の芸術作品!『最も高貴なるワインの女王 壮麗なシャトーと偉大な歴史』!五大シャトーのなかでもエレガントで女性的と評されるのがシャトー・マルゴー。1855年の格付け当時から五大シャトーの先頭を争う高貴なワインです。
ボルドー・メドック地区のワインを『フランスワインの女王』と呼ぶとするならシャトー・マルゴーは女王たちの中でも、最も芳醇で最も優美なワインだと言えます。 長い瓶熟を経て花開くシャトー・マルゴーの華麗さと、たおやかさ、そしてデリカシーはまさに比類のないもので、1855年のメドック公式格付けでグラン・クリュ第1級に選定されたのも当然のことだったと言えます。歴史に名を残す愛好家も多く、ルイ15世の寵姫マダム・デュ・バリや、意外なところではマルクス主義で知られるエンゲルスが「あなたにとって幸福とは?」と聞かれ【シャトー・マルゴー 1848年】と答えたというエピソードも伝わっています。文豪ヘミングウェイもこのワインに魅了された一人で、生まれたばかりの孫娘に「このワインのように女性らしく魅力的に育つように…」という願いをこめて『マーゴ』という名前を贈り、この子がのちに映画女優になったことも有名です。
最高の土地と、人々の情熱が生んだ【至高の芸術品】
マルゴー村は、ボルドー市からワイン街道をメドック地区に向かう時、最初に出会う傑出したワイン銘醸村です。この道の先に現れてくるサンジュリアン村やポーイヤック村、サンテステーフ村と比べても、砂礫層が特に厚く、繊細で非常に香り高いワインを生み出すことで知られています。シャトー・マルゴーは総面積262ha、栽培面積90ha(うち白12ha)で、シャトーの周辺の土地は小高い丘になっており、丘の上の砂礫土壌と丘を下るにつれて現れてくる石灰混じりの粘土質土壌が複雑に混じり合い、葡萄の品質に多彩な個性を与え、これが出来上がったワインにニュアンスに富んだ厚みをもたらしています。
現在、シャトー・マルゴーでは砂礫質の土壌にカベルネ・ソーヴィニヨン種(75%)やプティ・ヴェルド種を、粘土質が多めの土壌にはメルロ種(20%)を、中間的な土壌にはカベルネ・フラン種(プティ・ヴェルドとあわせて5%)を植え付け、土壌の長所を最大限に引き出すように努めています。しかし、いかに土壌や気候条件が恵まれていようとも、それだけで卓越した品質のワインを生み出すことはできません。そこには何世代にもわたる人々の惜しみない情熱が不可欠なのです。 シャトー マルゴーは、すでに16世紀にその素晴らしい自然環境により高い名声を獲得し、以来今日に至るまで所有者たちの惜しみない愛情が注がれ続けてきました。今日の高い品質は、数世紀にわたってこのシャトーを生きがいとし、働いてきた幾多の人々の情熱の賜物に他ならないのです。
メドックの伝統に戻る
1977年、シャトー・マルゴーは、長い歴史の中でも特に優秀な所有者の手にわたりました。当時、シャトー・マルゴーはオーナーのジネステ家が熱意を失ったため名声に翳りを兆しつつありましたが、この新しい所有者メンゼロプロス家はメドック始まって以来の莫大な資財を投入し、畑から醸造・貯蔵設備、そしてシャトーに至までの徹底的な改造を行いました。 しかもその改造は、基本的にメドックの伝統に帰る方向に進められ、科学はあくまでも伝統の長所を伸ばす方向でのみ導入されました。例えば畑での作業は手仕事の部分が一層増え、肥料は農場内で飼われている牛のたい肥を使用。醸造槽は主として木桶を用い、貯蔵には100%新樽を使用するなど、伝統的なワインづくりが理想としていたものをすべて実現したのです、この結果、1978年以降のシャトー・マルゴーは再び一気にメドックワインのトップに返り咲きました。
これらの改造計画を指導した人物こそ、のちにサントリーがシャトー・ラグランジュの改修を行った際の恩人ともなる元ボルドー大学ワイン醸造研究所長エミール・ペイノー博士だったのです。いわばシャトー・ラグランジュは、シャトー・マルゴーと同じ思想、同じ理想のもとに限りなく品質向上の努力を続けている後輩にあたるのです。こうして両シャトー間の友情は日増しに深まりつつあります。
■ロバート・M・パーカーJr. 【ボルドー第4版】より
1960年代と1970年代凡作の続く悲惨な時期にピエールとベルナール・ジネステの不十分な財政管理(国際的な石油危機や1973年と1974年のワイン市場の暴落がその原因である)のもとで生産されたワインは、豊かさや凝縮感、個性に欠けるものがあまりにも多すぎた。その後、1977年にマルゴーはアンドレとラウラ・メンツェロプロス夫妻に売却され、ただちに葡萄畑やワインの醸造設備に惜しみなく大金が投入された。エミール・ペイノーがワイン醸造を監督するコンサルタントとして迎えられた。そうした経済的、精神的な肩入れがマルゴーのワインに反映されるのは数年先のことになるかもしれないと思われたが、マルゴーの底なしの偉大さを世界に見つけるには、1978年のヴィンテージ1つで十分だった。 残念なことにアンドレ・メンツェロプロスは、苦闘していた第一級シャトーが驚くべきエレガンスと豊かさと複雑さを備えた、輝かしく一貫性のあるワインに変貌するのを見届ける前にこの世を去った。エレガントなラウラ夫人、そして近年は世事に通じたやり手の娘、コリンヌがここを取り仕切っている。この2人は少なからぬ才能の持ち主たちに取り巻かれているが、なかでもポール・ポンタイエの存在は光っている。1978年のマルゴーはすぐに評判を勝ち取り、その後もきら星のごときワインを次々に送りだした。絶句するほどすばらしい豊かさとバランスは、1980年代にボルドー全体でつくられたどのワインよりもマルゴーが良好だと言っても過言ではなかった。 よみがえったマルゴーの特徴は、豪勢な豊かさ、熟したブラックカラント、スパイシーなヴァニリン・オーク、スミレなどの深みのある多面的なブーケを持つスタイルである。今ではその色や豊かさ、ボディ、タンニンのどれをとっても、1977年以前にジネステの支配下で造られていたワインに比べ見違えるほど充実している。 マルゴーは辛口の白ワインも造っている。「パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー」は、ソーヴィニョン・ブランだけを植えた11.8haの葡萄畑から生産されている。オーク樽で発酵させ、その後10ヵ月間寝かせてから瓶詰めする。雑学好きにお教えすると、これは壮大なマルゴーのシャトーから数百メートル道を上がったところにある、シャトー・アベル=ローランと呼ばれる小さな建物で造られているのだ。このメドックの最高級白ワインはキレがよく、果実味が豊かで、ハーブとオークの香りがそこはかとなく漂う。
一般的な評価
1960年代と1970年代は惨たる出来栄えであったが、その後1980年代にシャトー・マルゴーは文字通りよみがえり、それ以降は連続して100点満点に近いワインを生み出している。品質の面で言えば、このシャトーは過去20年間、その格付けにふさわしくあり、セカンドワインの[パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー]は消費者の注目を引くに値する。
平均年間生産量:200.000本
畑 面積:78ha(栽培面積)、平均樹齢:35年、密植度:10.000本、平均収量:45hl/ha
育成:発酵とマセレーションは温度管理された木製槽で3週間。熟成はオーク樽の新樽で18~24ヶ月。清澄はするが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン 75%、メルロー 20%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルド 5%
所有者:メンツェロプロス家