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こちらはオリジナル・ミックス盤(現行はリミックス・リマスター)。
Nick Davis(It Bites等プロデュースを手掛ける事で御馴染み)、Geoff Callingham、Chris Blairによる旧リマスターとなります。
紙ジャケットは日本初回リリース時の厚紙仕様を再現したものとなっております。
内容は言わずもがな。
ラインナップは不動の名手トリオ。
Tony Banks(Key)、Mike Rutherford(BG、後にMike the Mechanics)、Phil Collins(DsPer、Vo当時Brand X兼任)となります。
プロデュースは(四人編成時代Genesisに引き続き)
David Hentschel(後にAndy Summers、Brand X等手掛ける)とバンド自身。
1977年9月~10月オランダ・ヒルヴァーレンベーク”Relight Studios”(録音)、英国ロンドン”Trident Studios”(ミキシング)での制作となります。
初期音楽性の叙情性や繊細さの鍵を握った名手Steve Hackettが前作ライヴ盤”Second Out”ミキシング末期に脱退。
(制作スタジオでの脱退宣言後名手Steve Hackettは英国に戻る為空港に向かいますが、そのスタジオに向かう名手Phil Collinsがその姿を目撃。
通常は話しかけに行くものの、スタジオ到着を優先。到着後脱退を知らされ絶句。引き留めを試みるも既にSteve Hackettは空港到着し機上の人となる所。
「あの時話しかけに行けば.....」「あの時Phil Collinsに会っていれば脱退を撤回した気が......」との事..................)
その後撤回を試みるも名手Steve Hackettはソロ独立に賭ける意志は非常に固いもの。
Peter Gabriel在籍期よりも遥かに成功を収めた4人編成Genesisはあっけなく崩壊となります。
大傑作ライヴ盤”Second Out”完成後英国サリー州”Shepperton Studios”にて創作/リハーサル。
そのまま英国での新たなスタジオにて心機一転、作品制作を試みるも
税金問題が持ち上がり、
やむなく前スタジオ作同様オランダへ制作を移行する事となります................................
さて今作。
トリオとなったジェネシスの初制作作品でございます。
名手Steve Hackettが急遽脱退という事が有り後任人選に時間が割けなかった事やMike Rutherford自体がそもそもギタリストという事。
また創作者がそもそも全員というというGenesis。
創作兼重要なアレンジャーたる名手Steve Hackettの脱退は痛手ではあるものの創作の範囲が広がった事を逆手に取り、新生トリオとして新たな創作に賭けたという感がございます。
繊細なリード・ギタリストが抜け、キーボード奏者Tony Banks重視の音楽性となり大仰さとハードさ、躍動感が登場した感がございます。
以前のPeter Gabriel在籍時~Steve Hackett脱退までのGenesisの音楽性を踏襲しているものの、
Mike Rutherford/Phil Collinsのポピュラー性を強く活かすという感が窺えるものでございます。
されど、非常なコンパクト感が感じられるもの。
それらが次作大傑作”Duke”へと繋がっていく感がございます。
プログレとしてのGenesis最後の作品とは言われますが、次作以降もプログレ色が残ってまいります(要の名手Tony Banksが在籍しておりますし....)。
但し、ジャンル問わず通な”British Rock”ファンが好む音楽性が薄れたのは事実でございます。
個性とアクは紙一重と言われます。
それが抜けた事で強まるメジャー感やポピュラー感、コンパクト感そして後の八十年代特有のキーボード中心の音楽性に合う音楽性が更なる成功を呼び込んだのでは?とも..............
Tony Banksの演奏は大仰で躍動感あるものと言えど未だ「音のタピスリー」的なもの、Phil Collinsの演奏も次作の様な強く弾けたものではなく、
以前の音楽性に繋がるもの。
Mike Rutherfordのギター演奏がリード・ギタリストとして未だこなれていない事がTony Banksの演奏の有り方を生んだとの感がございます。
(おかげで名手Daryl Steurmer(GB、B-vo、ex-Jean-Luc Ponty)がツアー・メンバー起用に繋がるのですが.................................)
音楽的には分岐点。
メジャー化していく音楽性の橋渡し的な作品でございます。
されど前作を含む嘗てのブリティッシュ・プログレ色が薄れど楽曲の質は非常に高いものでございます。
八十年代という時代に向けてYesやMoody Blues、U.K.やELP、Atoll等々が音楽性の試行錯誤をしていた訳でございますが、こちらは成功例と呼べるものでございます。
リリース後は以前よりも成功を収めるというもの。
新生トリオの成功を確信し、継続を決定。
されどライヴでの再現の有り方でMike Rutherfordに演奏問題が発生。
(名手Steve Hackett在籍時楽曲が技術的に再現出来ないという当時の問題)
当初は名手Alfonso Johnson(B、ex-Weather Report、The Crusaders、Wayne Shorterセッション他)起用であったものの困難となりバンドは途方に暮れるものの、
そのAlfonso Johnsonの推薦で運命の名手Daryl Steurmerが登場。
新たな全盛期名手ライヴ・ラインナップが完成する事となります.......................................
その後のツアーも大盛況で長期化。遂に初来日を果たす事となります.................
(その楽屋にファンが現れ、Phil CollinsがかのBrand X絡みの幻の大傑作”Marscape”にサインを求められ、Phil Collinsは驚きの余り目を剥く事となります.....................)
されどその裏で名手Phil Collinsの結婚生活問題が深刻化。
バンドの活動に影を投げ掛ける事となります..........................................
現在は入手が非常に困難。この機会に是非。