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DENIME(ドゥニーム)の新たなDENIM(デニム)物語が、幕を開ける。
'90年代に日本のファッションシーンを席巻したDENIME(ドゥニーム)が、ウエアハウスの技術によってアップデートされ、純国産デニム生誕50周年となる2023年、再始動することになりました。
”DENIMEを”再現する"ということから始まった
まだヴィンテージジーンズという言葉が耳慣れなかった1980年代、アメリカは技術革新による大量生産が加速し、自国でのモノづくりから海外生産へと移行した時代だった。その大量生産の流れはデニムにも波及。アメリカ国内での生産は継続されたが、1983年には広い幅のデニム織機の稼働が始まり、その速さから「革新織機」と呼ばれるほどだった。その結果。ジーンズの脇にあった「セルビッジ」は消滅したのである。
一方で、ヨーロッパの自由な発想のジーンズが隆盛した反動もあり、日本では古き良きアメリカのオーセンティックなジーンズが見直されようとしていました。そうしたなか、1988年に誕生したのが「DENIME」である。セルビッジの消滅からわずか5年ほどで、日本でセルビッジデニムを再現してみせたのだ。当時は、綿花を育てるために肥沃な土壌が必要なように、日本にはセルビッジデニムを作る環境がまだ残っていました。DENIME設立時のデザイナー林芳亨氏は、著書「日本のジーパン」でこのように語っています。
「クラボウがデニムにする糸を紡績して、それをクラボウ経由で広島・福山の藍染の老舗、坂本デニムでインディゴ染めする。そこで『試色』というのを作ってもらい、織る前に糸につける糊もXXと同じようにカチカチにしてもらった。」
こうして最初の”コシがあってザラつきの強い”デニムは誕生しました。当時の現場の方々の試行錯誤と、時代に逆行する作業への苦労が大変なものであったのは、容易に想像できます。面白いのが、創業時のDENIMEは、実はヴィンテージジーンズの完全再現を目指していたのではなかったことだ。
「ベーシックで、長く穿くことで良い色落ちになる。」
そんな高品質のデニムを求めた時、指標にしたのがXXデニムだっただけなのである。誤解を恐れずにいうと、当時のDENIMEのデニムは、ヴィンテージデニムを超えていたのではないだろうか。セルビッジデニムの生産がストップして5年、ほんの10年前には「66(ロクロク)」が作られていた時代に、かつてアメリカで作られていたデニム生地を、より良いものしてやろうした日本人の探究心は、とてつもなく深い。事実、当時のレシピを紐解くと、ヴィンテージにはない細かい部分に様々な工夫がなされていたのが分かる。
クラボウとの開発により、DENIMEが最初に作ったデニムを再現するところから、新生DENIMEは始まる。組み立てはウエアハウス。19世紀からのジーンズの変遷を探求し続けるウエアハウスが、最もDENIMEであると思う仕様で作り上げる。つまり、「DENIME=日本のジーンズの原点」という概念で、ウエアハウスが徹底再現するのだ。限りなきディテールの追及を使命として……。